誰でも効果を得られる速読法の成り立ち
「速読」、「速読法」、「速読術」という言葉を一度は聞いたことがあるかもしれません。
今では企業研修、私立学校など教育機関、学習塾などの教育に携わる方の中には、実際に速読訓練を導入しているところも存在しています。
それだけ速読の効果が実証され始めたことで、広く言葉を耳にする機会が増えてきていることを意味しているのではないでしょうか。
「速読」という言葉や概念が日本で広まり始めたのは、新日本速読研究会の資料によると1970年代から90年代であり、その当時は
と実際に能力を習得した人でされ否定されるようなイメージが蔓延していました。
その主な理由を挙げると、当時の速読といえば、「瞬きをしてはいけない」、「できると信じ込む」、「映像で全てを暗記する」といった科学的な方法とはほど遠い精神論や根性論でのトレーニングでかつ、成果もさほど上がらず「速読=できない(ウソくさいもの)」というイメージが固まってしまったことは仕方のないものだったと思います。
しかし、速読が広がる以前よりジョイント式速読は当時の中でも「確実に効果が目に見える方法」として、少しずつ広まり始めていました。
この速読トレーニング法は、EPSON、NEC、東芝が発表したパソコン普及時代に、初のパソコンでプログラミングした速読トレーニング法を実現し、多くの受講生の能力向上を実現してきました。
多くの受講生の能力向上を実現したジョイント式速読法でも、パソコンが普及する前までは「紙(本)」の教材が主流であり、人によってはページをめくる速度、視線移動が講師の指導通りに再現できず、習得率もパソコン版の9割程度といった確率と比べてみても、決して高いものではありませんでした。
90年代に入るとパソコン版、電子手帳などの機器の普及に伴い、多くの方が速読をマスターできるようになってきました。
パソコン版訓練ソフトでは予めプログラムされた動きや速度の再現が正確にできるため、画面の指示に従っているだけで自動的に正しくトレーニングができるようになったためです。
当時はパソコンは高価な物で、一般の方が触れる機会も多くはありませんでした。
物珍しさに受講した人も少なくありませんでしたが、パソコンを用いた速読訓練を生み出したことが、結果的に世間から話題を集めるきっかけにもなったことも事実です。
速読とは
このような時代の背景から「速読は効果があるものだ」と世間から認知され始めて、本格的に塾、学校、企業研修と広まりを見せた速読法ですが、現在では●●式、●●流派と謳う団体や講師も乱立しているため、イメージや言葉だけが一人歩きしてしまっています。
速読で得られる効果がどのようなものかよく分からないという声も聞きますので、まずは簡単に速読の基礎について説明したいと思います。
理解力を落とさずに速く読めるのが速読
速読のイメージの大半は「飛ばし読み、斜め読み」という誤解によるものです。
速読トレーニングで身につける脳の情報処理速度の向上効果で、理解力は変わらずに脳の検索速度だけを速くしていくことで、今ある理解度を保ったまま速く読めるのが速読の姿です。
速読習得に必要な3つのポイント
速読を身につけるためには「文章を読む過程」を踏まえ、速く読むことを阻害している要因をトレーニングで解決していきます。
【1】文字を速く追うための目の力を向上させる
【2】速いスピードの感覚を覚えて検索速度を向上させる
【3】複数文字を固まりで読む「視かた」を読書回路として覚える
この3つのポイントを踏まえてトレーニングをすることが、速読能力を上げるためには必要不可欠な要素となります。
【1】文字を速く追うための目の力を向上させる
読書をスタートする際、始めに「文字の形」を視覚で捉える必要があります。
文字を読むためには文字を見ることから始まります。この速度を左右するのが「目の力」であり、速読では眼筋力と呼びます。
短距離走を速く走るためには、足の筋力を鍛える必要があるように、文章の上を走るための目の力をトレーニングで強化する必要があるのです。
(この眼筋能力は測定が可能であり、1分間にどの程度の文字情報を脳に送る力があるかを数値化し把握できます)
【2】速いスピードの感覚を覚えて検索速度を向上させる
文字の上を速く走る(形を追う)ことができるようになったら、次に「文字の意味を記憶から検索する処理速度」を速くします。
そのために必要なのは「速いスピード感覚を脳に記憶(順応)させる」ことです。
例えば自動車で一般道路を時速50キロの速度で運転した後に、高速道路を時速100キロで運転します。その後、一般道路に下りて時速50キロで走行すると、普段の時速50キロよりも速度を遅く感じて、ついついスピードを出しすぎてしまった経験があると思います。
速いスピード感覚を記憶してから、普段の速度に戻ると普段の速度が遅く感じます。高速環境で相対的にスピードを認識、比較し記憶したことにより、今までよりも高速で情報を認識できるようになります。
脳がこの高速環境に順応し速度が定着することで、今までよりも速く情報認識が可能となり、【1】で文字を速く見れる速度に意味を理解する速度が追いついてきます。
【3】複数文字を固まりで読む「視読」を読書回路として覚える
一般的な読み方である「音読」には1文字ずつ文字を読むという特徴があります。
しかし音読で文章を読む速度には一定の限界があります。
これを「音読の壁」と呼び、速読トレーニングをする方の8割以上は分速3000文字前後で音読の壁にぶつかります。つまり今までの読み方ではこれ以上は速くならないのです。
音読の壁を突破する方法は文章をブロック単位の固まりで見る「視読(しどく)」トレーニングを行う必要があります。
視読トレーニングをすることで複数文字、複数行の文字を視る感覚を養います。視読を実際の文章で再現できるまで繰り返し、実践で使える記憶として定着させていきます。
過去このような文字の見かたをしたことが無いため、最初から固まりで文章を捉えることはできません。
まずはブロック単位の固まりで文章を「見る」ための見かたを記憶する必要があるのです。
詳しくはこちらのマンガ版でもご紹介していますのでご覧ください。
速読の効果
速読能力を習得できると理解力を落とさずに文章が速く読めるようになります。
速く読めるとどんなメリットがあるのか、次に速読を活かした方法をご紹介します。
本を沢山読めるようになる
読書量を増やしたいと思い速読を始める人は少なくありません。一般書、ビジネス書など様々な本から知識を得ようとする方に速読は効果的です。
速読の読み方である「視読(しどく)」をみにつけると、読み方を使い分けできるようになります。
小説のような読書であれば「音読」で考える時間を楽しみながら味わって読み進み、一方で内容を素早く把握するだけなら「視読」で読むという使い分けが可能となります。
学習に役立つ
学習効果を上げたい場合も速読は有効です。
英語など語学学習においては、基礎知識となる単語、熟語をまずは勉強する方も多いですが、そもそも知識がなければ理解することさえもできません。
速読は知識を暗記するための復習時間を短縮できるようになります。覚えるための反復速度が上がれば、記憶する時間が短縮でき時間を別の暗記に充てられますので、効率的な時間の使い方ができるようになります。
また、受験や試験のような時間の限られている環境では、考える時間を確保しつつ、何度も見直しができ取りこぼしが無くなるなどのメリットもあります。
学習からの知識量は時間と読む速度の掛け算で決まります。読む速度が上がることで今までと同じ時間でも知識量の増加が期待できるのです。
仕事に役立つ
仕事面で速読の効果を発揮する例では、メールを読む、資料を読み込む、契約書を読む、数字チェックなど、読む活動時間が比較的多い社会人やビジネスマンにも効果が絶大です。
1日で「読む」ことに使う時間を意識している方はあまり多くありません。しかし実際に時間に換算してみるとオフィスワークの方であれば、1日の半分以上、少なくとも3時間~5時間は「読む活動」に時間をつかっていることが独自調査により判明しています。(新日本速読研究会 2019年調査 受講生212名から聞き取り結果)
メールや資料内容を正確に読むだけであれば、文章を味わう必要はありません。素早く読み進み時間短縮が実現できると「考える時間」のような知的労働に貴重な時間を費やすことができるようになります。
スポーツに役立つ
スポーツは野球、サッカー、テニス、バドミントン、卓球などの球技からボクシングのような格闘技まで速読の効果を発揮して成績を上げている方も多数存在します。
文章を速く読む(情報認識や判断に役立つ)ことが運動のパフォーマンスを上げる可能性があることをアスリートは肌で感じ取っているようです。
スポーツでは広い周辺視野力、判断速度、同時に物事を判断する処理能力など複雑で素早い状況判断が求められるため、情報処理能力を上げるトレーニングで速読を取り入れています。
記憶力の向上
速読効果が記憶力に影響する理由は大きく2つあります。
1つ目は「繰り返す速度の向上」です。情報は繰り返し見る、聞くことで記憶に定着する習性があります。
これをカーボン記憶と呼んでいますが、カーボン記憶は無意識であっても同じ五感の刺激を受けることで、記憶に定着します。
勉強の後の復習がこのカーボン記憶にあたり、いかに繰り返す回数を増やすことが記憶への定着に役立つかイメージしやすいのではないかと思います。
速読によって「読む」速度が上がると、繰り返す記憶力が向上していきます。
2つ目は「イメージする能力の向上」です。
記憶力トレーニングではイメージ記憶力と呼びます。記憶力はイメージする右脳の力によって長期記憶に保存する役割を担っています。
速読トレーニングでは言語を司る左脳の役割と映像認識の右脳を交互に変換するイメージ訓練で各分野の脳の機能を強化していきます。
言語から映像、映像から言語の切り替え訓練でイメージ記憶力を向上させることができるようになります。
なお、文章を速く読むと同時に映像化で記憶していく方法を自動翻訳読み(じどうほんやくよみ)と呼んでいて、本を読んでも頭に残らない、すぐに思い出せないという方にはお勧めする読書法です。
速く読む以外の副次的な効果
速読は早く読むための方法と捉えがちですが、実際にはトレーニングを通じて様々な効果が期待できます。
例を挙げると、
このような前向きな報告をいただくことも少なくありません。
速読は脳の情報処理能力を向上するものですから、速く読むこと以外にも副次効果が期待できます。
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